
2025年11月~2026年1月の転職市場動向の予測
1. 市場全体の概況
11月から冬期にかけての転職市場は、中小企業にとって優秀な人材を確保する絶好のチャンスとなります。大手企業が採用活動を一時的に控えるこの時期、求職者の注目が中小企業にも向きやすくなる傾向がみられます。年明けからの転職を見据えた応募意欲の高い層が動き始めるため、早めの求人発信が効果的となります。特に、柔軟な勤務体制や人間関係の良さなど、中小企業ならではの魅力を打ち出すことで共感を得やすくなります。静かな時期だからこそ、採用広報や求人内容を見直し、他社に先駆けて動くことが、来春以降の人材確保を左右します。晩秋から冬期にかけての転職市場は年間を通じて落ち着きを見せる一方で、中小企業が存在感を発揮できる採用の好機でもあります。

2. 業界別 採用動向
■ 製造業界 
半導体・電子部品・自動車関連の底堅い需要が報告されています。近畿経済産業局の調査によれば、「AI向け・データセンター向け半導体」「工作機械」の需要回復基調が確認されています。一方で、原材料費・エネルギーコストの高止まり・在庫調整などがコスト面・採用・人件費の面で重荷となっており、人材確保・定着に向けて慎重な姿勢を見せる企業もあります。
採用戦略のヒント:製造企業では、冬期の閑散期に求人を出しておくことで、来春の繁忙期・体制増強を先取りできます。
■ 物流業界 
ドライバーの高齢化・働き方改革による時間外規制・EC拡大に伴う配送量増という複数の要因があり、物流・運送業では、人手不足が構造化しており、有効求人倍率が高水準高止まりとなっています。
採用戦略のヒント:物流企業では「冬の繁忙期入りに向けた早期募集」「若年層・女性・未経験歓迎の枠設定」「働きやすさ・待遇改善(休み、給料、研修))などの差別化をうちだすことが鍵となります。
■ 医療業界 
医療・保健業界では、専門職(看護師・薬剤師・臨床工学技士等)を中心に、有効求人倍率の高水準が常態化しています。冬期は離職者の増加傾向がみられることに加え、インフルエンザ・救急対応増などによる患者数増も重なり、人員不足が顕著となる厳しい時期となります。
採用戦略のヒント:医療機関では、「専門資格保有者への待遇」「夜勤・オンコール体制の改善」「定時退勤可能な部署の整備」「多職種チームワーク・育成パスの提示」が採用・定着両軸で効果がみられます
■ 介護業界 
介護福祉業界では有効求人倍率が非常に高く、慢性的な人材不足が続いています。その一方で環境改善・処遇改善が功を奏し離職率が低下傾向にある施設も出てきています。時節の流れとしては、晩秋から年末にかけて、退職・転職意向者の動きが出やすく、来春~新年度(1~3月)に向けた採用準備を進める企業・施設が増加する時期となります。
採用戦略のヒント:介護施設では「未経験歓迎・資格取得支援」「夜勤専従可」「地域密着・転勤なし」など中小規模施設ならではの強みを明確に打ち出すと、応募者の興味を引きやすくなります。
総じて、晩秋~冬期は各業界で「動き出しのタイミング」として捉えることができます。特に中小企業・施設にとっては、大手が動きが鈍る時期を逆手にとって、良質な人材を確保する好機となり得ます。
DOMOぱどNET 晩秋~冬期のサイト動向
DOMOぱどNETにおける直近1年間のサイト流入数と応募率の動向から、11月中旬より1月にかけては、サイト流入数(訪問件数)は一時的に減少しました。年末年始にかけてはその傾向はより顕著となりました。
その一方でサイト訪問者に対する応募率は年間を通じて最も高い水準となりました。このことはこの時期のサイト訪問者が短期決着を目論み、就職意欲の醸成された求職者が多いことを示しています。
<DOMOぱどNET 直近1年間のサイト流入数と応募率の推移>
▼ 流入数は減るものの、応募率は年間を通じて最も高い水準

採用成功へのヒント
◆ 面接時の注意事項
① スケジュール調整の柔軟性:年末年始や繁忙期を考慮し、面接時間や日程の候補を多めに提示する。
② 体調・季節要因への配慮:寒さやインフルエンザ等を考慮し、オンライン面接や換気・暖房などの環境整備を心掛ける。
③ 応募者の動機確認:年明け転職を見据える応募者が多く、動機や希望時期をしっかり確認する。
④ 待遇・入社時期の明確化:冬期は入社タイミングにズレが生じやすく、給与・手当・勤務開始日を明確に伝える。
⑤ 面接官の体制確保:繁忙期で社内が手薄になりがちなため、面接官の負担を分散し、十分な時間を確保する。
◆ 採用成功率を高めるポイント
① 早期アプローチ:冬期は他社が動きにくい時期のため、先行して募集・面接を実施する。
② 柔軟な入社プラン:入社日や研修期間を柔軟に設定し、応募者のタイミングに合わせる。
③ 魅力の明確化:待遇だけでなく、働き方・社風・成長機会など中小企業ならではの強みを強調する。
④ 応募者フォローの徹底:面接後の連絡や質問対応を迅速に行い、候補者の関心の維持を心掛ける。
⑤ オンライン併用の活用:移動や天候リスクを避けるため、オンライン面接を積極的に導入する。
地元人材の採用なら、実績30年の関西ぱどへお任せください

 
  
  
  
  