
「面接まで進んだのに、連絡が取れなくなってしまった」
「ようやく内定を出したのに、辞退されてしまった」
多くの企業が採用活動の中で一度は直面するこのような課題。特に人材採用が難しい今、せっかくのご縁を逃すのは大きな損失です。
今回、当編集室では地元志向の20〜60代の女性131名にアンケートを実施。「応募をやめた理由」や「面接後・内定後に辞退した理由」についてリアルな声を収集しました。アンケート結果をもとに辞退理由の傾向と、企業が取り組むべき具体策を解説します。
求職者が感じる“違和感”の正体とは何か。小さな行き違いや対応の遅れが、面接・内定辞退につながっているかもしれません。求職者から「選ばれる企業」になるために、今一度自社の採用活動を振り返る機会としてご活用ください。
●調査概要(N=131)
エリア:大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県
性別:女性
年代:20ー60代
方法:ロコトク会員へのオンラインアンケート
実施日:2025年6月1日~30日
求職者の約4割が「面接後・内定後」に辞退経験あり
まず注目すべきは、面接や内定に進んだ後でも、約4割の求職者が辞退経験があるという事実です。本来、面接や内定まで進むということは、少なくとも一度は「この企業で働きたい」と思ったからこそ。それにもかかわらず辞退するのは、途中で気持ちが変わる「何らかのきっかけ」があるからです。
面接後に辞退した経験がある…40.5%
内定後に辞退した経験がある…39.3%

辞退理由は「募集内容とのギャップ・面接官の態度・連絡のスピード」
では、求職者は具体的にどのような理由で、面接後や内定後に辞退してしまうのでしょうか。アンケート結果を見ると、「他社に内定が決まった」「他社の条件がよかった」などの外部要因だけでなく、
・面接官の態度が悪かった
・求人票と実際の仕事内容・条件にギャップがあった
・面接時の説明や雰囲気に不安を感じた
といった内部要因も、辞退理由の上位にあがっています。外部要因をすぐに変えることは難しいですが、内部要因については自社の取り組み次第で改善できる可能性があります。
具体的なアンケート結果は以下の通り。
▼面接後辞退の理由(単一回答)
1位 面接官の態度が悪かった/職場の雰囲気が合わなかった 17%
2位 仕事内容や条件が求人票と異なっていた 11%
3位 他の企業に内定が決まった 9.6%

▼内定後辞退の理由(単一回答)
1位 他の企業の条件が良かった 26%
2位 面接での印象や説明に不安を感じた 23%
3位 職場の雰囲気が合わなそうだと感じた 19%

▼応募を辞める・辞退した理由について「具体的なエピソード」
給与・待遇 | 仕事を始めようと思ったけど、子どもを預ける時間やお迎えに行く時間の都合でなかなか良い時間帯の仕事が見つからず、見つけても残業ありや土日祝も仕事だったりしてなかなか応募までできませんでした。 |
他の選択肢 | 休日の数とか給料を他の求人と比較してやめた |
面接のハードル | 面接のハードルが高いと感じ応募を辞めたが、その後も長期に渡り求人が続いておりチャレンジしておけば良かったと後悔したことがある。転職を考えて応募しようと思ったが、面接や試験のことを考えると不安になった。 |
仕事内容が不明瞭 | 応募情報だけでは不明瞭なことが多く不安になったので、電話して確認すればよいのかもしれないが、それも面倒だと感じてしまった。 |
面接官の態度 | 面接時、飲食なのに面接官の仕事着に清潔感がなかったため嫌な予感がして辞退した。 |
求人情報とのGAP | 派遣で入力業務の応募で面接したが、実際の紹介がコールセンターだった。 |
他に内定 | 他に面接した企業より、内定を頂いた為。 |
他にした | 内定が出るまで時間が掛かりすぎて、他の企業を応募した |
面接時に不安 | 面接をしてくださった方が過去に辞めた人物について複数人言及していたので違和感を感じて辞退しました。 |
職場の雰囲気 | 作業工程を見学した際に臭いがキツくて無理だった為 |
待遇内容、募集内容をぼかさずに明記してほしい。実際問い合わせるとあやふやだったり、希望している就業時間帯は募集していない等があり、スムーズさに欠ける事がある。 |
辞退を防ぐために、企業が取り組むべきこと
アンケート結果から見ると、内部要因による辞退は求職者が感じる“ちょっとした違和感”がきっかけになっています。裏を返せば、企業側の対応次第で防げる可能性があるということです。こうした「もったいない辞退」を防ぐために、すぐに実践できるポイントを整理しました。
① 求人情報と面接内容を一貫させる
求人票に記載した仕事内容・待遇・勤務条件は、面接でも同じ内容を説明しましょう。情報が曖昧だったり説明に食い違いがあると、誤解や不信感の原因になります。
② 面接官は企業の“顔”として誠実に対応する
面接官の表情・身だしなみ・受け答えは、企業全体の印象を大きく左右します。圧迫的な態度や冷たい対応は、求職者に「この職場は合わない」と思わせてしまう要因になります。
③ スピーディーで丁寧な連絡を
応募から面接、結果連絡までの対応スピードは、求職者に安心感を与えます。「返信が遅い」「対応があいまい」などは、不信感につながるため注意が必要です。
まとめ
面接や内定後の辞退は、決して珍しいことではありません。ですが、その一部は“防げる違和感”が原因となっています。求職者に違和感を与えないことが、辞退防止の第一歩です。
▼ 今すぐ見直したいチェックポイント
①求人情報と実際の説明にズレはないか?
②面接官の態度・清潔感は、応募者目線でどう見えるか?
③連絡や案内のスピード・丁寧さは十分か?
求人情報の一貫性、面接官の対応、そして誠実なコミュニケーション。この3つを見直すだけでも、求職者に与える印象は大きく変わります。小さな違和感を残さない採用活動のために、ぜひ今日からできることから見直してみましょう。今回のアンケート結果が、自社の採用を振り返るヒントになれば幸いです。
●調査概要(N=131)
エリア:大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県
性別:女性
年代:20ー60代
方法:ロコトク会員へのオンラインアンケート
実施日:2025年6月1日~30日
●アンケート項目
① 応募を検討したけれど、やめた経験はありますか?(単一回答)
② 応募をやめた理由を教えてください。(単一回答)
③ 応募をやめた経験について、印象に残っていることや具体的なエピソードがあれば教えてください。(自由記述)
④ 面接まで進んだけれど辞退したことはありますか?(単一回答)
⑤ 面接後辞退の理由を教えてください。(単一回答)
⑥ 面接辞退の際、印象に残っていることや具体的なエピソードがあれば教えてください。(自由記述)
⑦ 内定をもらった後、辞退したことはありますか?(単一回答)
⑧ 内定辞退の主な理由を教えてください。(単一回答)
⑨ 内定辞退の際、印象に残っていることや具体的なエピソードがあれば教えてください。(自由記述)
⑩ 求職者が応募を決めやすくなるために、企業に期待することは?(最大3つまで回答可)
⑪ 就職活動の際、「こんな情報があれば応募しやすかった」「企業にこうしてほしい」と思ったことがあれば、自由に教えてください。(自由記述)
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