その思い込み、採用の可能性を狭めていませんか?──“アンコンシャスバイアス”と向き合う採用活動

採用難の時代、従来のターゲットにこだわることが、かえって人材確保を難しくしているかもしれません。その原因のひとつが、無意識の思い込み――“アンコンシャスバイアス”です。今回は、採用活動に潜む「偏見・思い込み」と向き合い、新たな可能性に気づくヒントをご紹介します。

無意識の「選別」が、可能性を狭めている

アンコンシャスバイアスとは、無意識に抱いている偏見や先入観のことです。「そんなの自分にはない」と思う方でも、実は日常の中に潜んでいます。たとえば──

・この仕事は体力仕事だから若い男性が向いている
・この年齢では未経験の仕事は難しい
・A型だから几帳面だろう

これらはすべて、私たちが知らず知らずのうちに抱いている“思い込み”です。誰にでもありますし、完全に消し去ることはできません。だからこそ大事なのは、その思い込みに自分で気づき、立ち止まって問い直すことです。

「男性向き」と思っていた仕事で、女子生徒が優勝

先日、「溶接甲子園」という大会のニュースを見ました。全国の工業高校生が参加する大会で、課題は“同じ条件での溶接技術”を競うというもの。驚いたのは、優勝したのが2人の女子生徒だったことです。溶接=男性の仕事というイメージを、見事に覆す結果でした。このニュースを通して、「この仕事は男性向き」という思い込みが、いかに採用の幅を狭めているかを痛感しました。たとえば、ものづくりやドライバーなど、「男性の職場」とのイメージが強い現場でも、少し視野を広げれば女性が活躍している例は確実に増えているのです。

また、定年退職後に「自分の好きなこと・得意なこと」を軸に再就職し、イキイキと働くシニアの方もいらっしゃいます。これまでの経験や年齢、性別といった枠にとらわれず、思い込みを取り払うことで新たな選択肢が生まれる――そんな事例が、今、身近なところでも増えているように感じます。

皆さんの周りでも、思い込みを外したことで道が開けた経験や事例はありませんか?ぜひ一度、振り返ってみてください。

「いつものターゲット」から抜け出せるか

採用活動では、つい「これまでと同じ人材像」「業界でよくある属性」に目がいきます。でも、それはいつのまにか刷り込まれた無意識の思い込みではありませんか?

・「年齢」「性別」「過去の職歴」だけで判断していないか?
・「この業界ではこういう人が多い」という先入観にとらわれていないか?
・「昔はこれでうまくいった」という過去の成功体験が足かせになっていないか?

このような問いを、ぜひ今こそ投げかけてみてください。

採用の“活路”は、思い込みの外側にある

採用難の時代、従来のターゲット層だけにこだわっていては、前に進めません。むしろ、“これまで対象外だと思っていた層”のなかにこそ、新しい可能性があるかもしれないのです。アンコンシャスバイアスをゼロにすることはできません。ですが、「これは無意識の思い込みではないか?」と自分に問い直すことで、視野は広がります。
採用活動で最初に見直すべきは、応募者ではなく「自分の視点」なのかもしれません。

「本当にこのターゲットでいいのか?」――いま、あらためて立ち止まって考えてみませんか?

採用ターゲットの見直しは関西ぱどにご相談ください