採用活動から始まる「人材活躍」—ミスマッチを防ぐ3つのポイント

採用活動において「思っていた仕事と違う」「社内の雰囲気が合わない」といった理由で早期離職が相次ぎ、結果として企業の成長を阻害してしまう――このような“ミスマッチ”は多くの経営者や人事担当者が抱える深刻な課題です。今回は、採用から定着までのプロセスを一気通貫で見直し、ミスマッチを最小限に抑えるための採用活動のポイントについて解説します。

こんな方に読んでほしい内容です

◆「採用してもすぐに辞めてしまう…」
応募者が「思っていた仕事内容と違う」と感じて退職するケースが後を絶たない。採用時の情報発信や面接のやり方を見直したい。

◆「採用コストばかりかさんで成果に結びつかない…」
広告掲載やエージェント費用など、費用を投じてもミスマッチ応募が多く、結局早期離職に繋がってしまう。効率的なマッチングができていないと感じる。

なぜ早期離職が起こるのか
ミスマッチを防ぐための採用活動3つのポイント
まとめ

なぜ早期離職が起こるのか

転職を考える理由の3割以上が「現職への不満」です。特に「求人情報と実際の業務内容が異なる」というミスマッチは、採用活動の段階で発生しやすく、早期離職の大きな原因になります。「思っていた仕事と違った」「聞いていた話と違う」と感じた瞬間、求職者の離脱リスクは高まります。

ミスマッチを防ぐための採用活動3つのポイント

採用時の対応がその後の定着や活躍にも影響を与えます。採用から定着までのプロセスを一気通貫で考え、ギャップを最小限に抑えることこそ、採用成功のカギ。では、どのような工夫をすれば、求職者と企業の「認識のズレ」を防げるのでしょうか？求職者の応募意欲、応募後に感じた不満についてのアンケート結果をもとに、ミスマッチを防ぐための3つのポイントを解説します。

①求人情報の具体性を高め、業務内容の相互理解を深める

◆フリーコメント
・実際に働いてみないとわからないことばかり。ただし見学は必ず行き、職場の雰囲気だけは感じるようにしている。雰囲気が悪くギスギスしてるところは、その直感通りなことが多い。
・人間関係はもちろんシフトの希望がどれだけ叶うか、就業期間に応じて時給アップなど職場によりさまざまで、長く続けるためにはこの3点は大事だなと常々思ってます
・職場の雰囲気の実際の写真が載ってあると、よりわかりやすく探しやすいですね！
・具体的に仕事内容が書いてある方が嬉しい

◆ポイント
8割の求職者は「勤務条件、仕事内容、企業情報」を重視して応募しています。求人に記載する内容と実際の条件にギャップがないようにすることがミスマッチを防ぐ第一歩となります。業務内容や1日の流れ、求める人物像などを具体的に記載することで、入社後のギャップを減らすことができます。

② 待遇・環境面での求職者意向を確認する

◆求職者の声（フリーコメント）
・面接時に伺っていた職場の雰囲気や働く人の事と、実際が大きくギャップがあった事がありました。もっとそのあたりを実際見て自分に合うか見れる制度と時間が沢山あればいいのにと思う。
・仕事内容の説明をきちんとしていただけるところは安心感がある。
・職場の体制の問題もあるので仕方ないかもしれないが、希望の仕事内容だったから応募したにも関わらず入社後に仕事内容を変えられて結局退職するパターンが多かった。
・内定をもらい、その会社に転職することを決めてから、その後のやり取りで本部の人がかなりいい加減な対応をされ、転職することに決めたことを後悔した。
・現在営業職に就いているのですが、営業未経験者です。面接の際に営業面は1から教えるので安心してくださいと言われたが、いざ入社したら何もフォローしてくれなかった。
・有給の事などは面接でしっかりと聞いておいた方がいいと思った。

◆ポイント
「具体的な仕事内容」「どんな職場環境で働くのか」「昇給や希望する勤務条件」は入社後にギャップが発生しやすい項目です。採用時にしっかりと求職者の意向を確認し、自社で実現できること・できないことを誠実に伝え、齟齬がないようにしましょう。また、「企業担当者の態度」も求職者の不満や辞退につながります。丁寧な態度で求職者に対応しましょう。

③ 採用担当と現場の認識を統一する
企業側の「伝えたつもり」が、求職者にとって「聞いていない」ことはよくあります。