少子高齢化が進む日本において、企業の人材不足は大きな課題です。
労働力確保の手段として「女性の活躍推進」「外国人労働者の受け入れ」「高齢者の雇用促進」などが提案されていますが、特に注目されているのがミドルシニア人材の活用です。
この記事では、企業が年齢の固定概念にとらわれずにミドルシニア人材の活用を進める意義と事例についてご紹介します。
固定概念に縛られない採用の可能性
多くの企業が人材確保を目指している中で、「若手こそ最良の人材」という固定概念に縛られがちです。
しかし、若年層だけを採用対象とすることは、労働力不足の解決には不十分です。
生産年齢人口の減少が避けられない今後においては、新たな労働力を見出さない限り、問題解消は難しいとされています。
年齢にとらわれず、スキルや経験に重きを置くことで、企業は人材の多様性を確保し、より持続可能な組織体制を築ける可能性が広がります。
エイジハラスメントを防ぐ組織づくり
ミドルシニアの採用を進める際、重要になるのが「エイジハラスメント(通称:エイハラ)を防ぐ組織づくり」です。
エイハラとは、年齢を理由に不当な扱いや差別を行うことで、職場の雰囲気を悪化させるだけでなく、当事者の働く意欲も削いでしまいます。
エイハラを防ぐためには、職場全体で「年齢に関係なく活躍できる」という意識を育むことが大切です。
たとえば、若手と中高年が協力しやすいプロジェクトの仕組みを整えたり、中高年に対してキャリアパスを明確に提示したりすることが効果的です。
このように組織全体が年齢に関係なく尊重し合う風土を持つことで、社員が持つ多様な知識と経験が生かされ、より働きやすい職場が実現します。
ミドルシニア層採用がもたらす3つのメリット
企業がミドルシニア層を採用することには、以下のようなメリットがあります。
1.職場の多様性を促進
異なる世代が混在することで、多様な視点や意見が生まれ、職場の活気が高まります。
ミドルシニア層の広い視野や経験は、問題解決力の向上や多様な顧客ニーズへの対応にも役立ちます。
2. 豊富な経験による即戦力
ミドルシニア層は、長年の業務経験をもとに的確な判断ができる即戦力となり得ます。
特に専門知識や業界のノウハウを持つ中高年社員は、若手社員を指導し、組織内での技術や知識の継承にも貢献します。
3. 安定した定着率
ミドルシニア層は生活基盤が安定しているため、長期的に働く意欲が高い傾向があります。
特に長期間の就業が求められる職種では、中高年層の定着率が高く、採用コストの削減にもつながります。
ただし、ミドルシニアの採用には課題もあります。
たとえば、新しい技術への順応性や柔軟性の面で若年層よりも不安があることです。
しかし、この点は、職場でのサポートや適切なトレーニングプログラムを設けることで補うことが可能です。
4. ミドルシニア層の採用事例
では、ミドルシニア層の働く意欲はどのくらいあるのでしょうか。
関西ぱどが主催したミドルシニア世代を対象にした地元就職イベント(2024年5月@八尾プリズムホール)では、同エリアで過去最高の128名の求職者が来場しました。
ミドルシニア(40~60代)に特化したイベントだったこともあり、集客数は通常イベントの2倍以上を記録。
この実績は、ミドルシニア層が積極的に就職活動を行っている証拠だと言えます。
主催者の私たちにとっても予想以上の反響でした。
このイベントには10社の地元企業にご参加いただき、介護、物流、運送、リフォームなどの様々な業種で7名の採用につながっています。
「年齢だけで判断しない方が良いのは分かるけれど、急に採用方針を変えるのは難しい」
そうお考えの企業さまは、地元の就職イベントで実際に求職者と接することで理解を深められるかもしれません。
おしごと博は、地元企業と、地元で就職・転職したい人を応援しています。
詳しく聞けて気軽に相談できる合同説明会を大阪府各地および和歌山市内周辺エリアで開催中
30年の実績で積み上げた採用ノウハウをお伝えします