
「最近の若手、どう接すればいいのかわからない」「どうすれば彼らがもっと成長してくれるのだろう?」――。そう感じる育成担当者や管理職の方も多いのではないでしょうか。
今回は、ぱどグループに入社して3年以内の若手営業スタッフ7名にアンケートを実施。彼らが抱えるリアルな課題をもとに、育成に必要な視点を探りました。
若手営業スタッフが共通して感じている「自身の不足」とは?
若手営業スタッフが口をそろえて語ったのは、「できるようになりたい」「学びたい」という前向きな意欲。そして、その背景には大きく3つの「不足感」がありました。
営業活動に必要な「知識」と「ノウハウ」が足りない
若手がまず挙げたのは、営業の土台となる知識や基本的なノウハウの不足です。特に「反響の実績」や「決裁者との商談の進め方」など、実務に直結する部分への理解不足に不安を抱いているようです。
【アンケート回答より】
「業種や職種によって、媒体をどう使い分ければいいのか分からない」
「決裁者にどう話を通せばいいか分からず、提案が止まってしまう商談を前に進める「実践的スキル」が足りない
商談を前に進める「実践的スキル」が足りない
話すことはできても「相手に響かない」「提案が通らない」という課題を感じる若手が多く、ヒアリング力や提案力、柔軟な発想力など、商談の実践的なスキルに自信を持てていない様子がうかがえます。
「ヒアリング力、課題発見力が足りていない」
「提案はできても、相手に刺さっていないと感じる」
「相手の状況に応じたプランを提示するための発想力や実例」
クライアントとの「関係性構築」が難しい
商談を円滑に進めるには、クライアントとの信頼関係の構築が欠かせません。しかし若手の多くは受注前の段階でその壁にぶつかり、関係性を深めるアプローチに課題を感じていることがわかります。
「先輩の商談では、ヒアリングの段階でお客様との信頼関係を築いていた」
「その後の取材やフォロー時に、うまく距離を詰められていないと感じる」
若手が欲している「3つの学び」とは
では、若手たちは自分の「不足」を、どのように埋めたいと考えているのでしょうか。アンケート結果から見えてきたのは、3つの学びへの強い意欲でした。
現場ですぐ使える「勝ちパターン」が知りたい
若手たちは、実際の現場で“今すぐ使える”リアルな事例やトーク例を強く求めています。日々の営業でつまずく場面を乗り越えるための「再現できる知恵」を知りたいという声が多く聞かれました。
「業種や職種に合ったおすすめプランや事例を知りたい」
「想定外の質問や要求が来たときの対応を学びたい」
「どうすれば受注率を上げられるか、成功パターンを知りたい」
点ではなく線で学びたい「営業の全体像」
個々のテクニックだけでなく、「営業とは何か?」「自分の役割は何のためにあるのか?」といった根本的な問いに向き合いたいという姿勢が見られました。
「営業とは、会社の利益をあげるための一員なのか、本当にお客様の役に立っているのか。根本を理解したい」
「BtoB営業の基本を学び直したい」
体験から学ぶ「リアルな共有」がほしい
経験豊富な先輩社員の商談の進め方や一日のスケジュールを知りたいというニーズも大きく、ロープレや事例共有の場を求める声が多数ありました。“人から学ぶ”ことのリアリティを重視しています。
「ベテラン営業マンの商談の進め方をロープレで見てみたい」
「普段接点のない先輩のやり方をもっと知りたい」
若手育成のカギは「言語化」と「共有体験」
では、若手が自走できるようになるには、どんなサポートが必要なのでしょうか。
アンケート結果から見えてきたのは、次の2つのポイントです。
◆言語化による整理ー暗黙知を再現可能な知恵にー
売れている営業スタッフほど、無意識にやっていることが多いものです。そこに一歩踏み込み、「売れる人はなぜ売れるのか」といった目に見えないスキルを言語化し、トークや提案の“型”として共有することで、若手は自分の行動を具体的に変えることができます。ベテラン社員が持つ知識や経験といった「暗黙知」を「形式知(言葉)」に変換することで、再現性あるノウハウとして若手に継承できます。
◆共有体験ー現場で“肌感覚”をつかむー
一方で、言語化では伝えきれない学びもあります。たとえば、お客様との距離感や空気の読み取り、臨機応変な対応などは、マニュアルや研修では身につきにくいものです。こうした“肌感覚”こそ、「同行」や「体験の共有」を通じて、現場で自然と伝わっていくものです。
今求められているのは、「言語化による整理」と「現場での体験共有」を組み合わせた育成スタイルです。体系的な学びをベースにしながら、現場を共に歩む“伴走型OJT”を実践することが、若手の成長を力強く後押しするのではないでしょうか。
まとめ:若手の成長は、組織の未来そのもの
「最近の若手は受け身だ」と感じる方もいるかもしれませんが、実際には「もっと学びたい」「もっと活躍したい」という前向きな想いを持っています。大切なのは、育つための“型”と“機会”を用意すること。言語化によって理解した「型」を、現場の共有体験を通じて“自分のもの”にする――この二段階のプロセスが、若手の本質的な成長を支えるためには必要不可欠なのです。
ぱどグループでも、今回の声をもとに、新たな育成プロジェクトを開始しました。この結果をふまえて、「実際に現場でどうやって落とし込んでいくか」についても、皆さまにお届けしていく予定です。どうぞお楽しみに!
【調査概要】
2025年4月、ぱどグループ入社3年以内の若手営業スタッフ7名に以下の項目でアンケートを実施。
①提案時に、アプローチブックをどれぐらい使ってますか
②その理由をなるべく具体的に教えてください
③今、あなたが営業をする上で、「自身が不足していると感じていること」をなるべく具体的に教えてください
④今、あなたが営業をする上で、「学びたいこと」をなるべく具体的に教えてください
⑤「若手基礎営業力向上PJT」に期待することをなるべく具体的に教えてください
⑥6か月後、あなたは組織で「どんな存在になっていたい」ですか?なるべく具体的に教えてください
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